週刊大地連載企画 ~ ペイン・ストーリーは突然に(第5話:苦難) ~
~前回までのあらすじ:ついに手術を決心したS。これでやっと平穏な日々が訪れるはずであった、、、、~
手術当日
Sは仕事を早めに切り上げ、急いで病院へ向かった。
医師から手術の説明を受ける。
(「ESWL」という石のある部位に衝撃波を与え、石を砕く手術)
医師:「あれがこうで、これがあーで・・・・・」
S:(「ふむふむ。なるほど。」)
医師:「麻酔はどうしようか?する?」
S:「やっぱり手術は痛いですかね?」
医師:「そうだねー。我慢できる人もいるけどね」
S:(しばらく考え)「麻酔しないでやってみようと思います」
S:(「ようやく今日で石の生活とはおさらばだ!」)
・・・麻酔を受けなかった。・・・
なぜか。
・・・そう、腰に麻酔を打つという行為にビビったのである・・・。
しかし、この判断が後にSを後悔させることになるとはこの時は思ってもいなかった。
手術台に仰向けになり、手術の機械が動き出す。
医師:「まずは一番弱い強さからいくねー。痛かったら教えてね。」
機械:カーン、カーン、カーン・・・・・
(ここは工事現場か?!
金属を打ち付けているような音が手術室に響く。)
S:(「ほー、ほー。こんなものか。これなら余裕だな。寝てしまうか」)
・・・しばらくして・・・
医師:「大丈夫―?じゃー、強くしていくねー。」
機器:カーン、カーン、カーン・・・・・・・・・
S:(「ふむふむ、まだ大丈夫だな」)
このような感じで徐々に刺激が強くなっていく。
そしてしばらく強さが上がっていき、
医師:「このくらいが麻酔してない人で我慢できる限界だから、痛かったら言ってねー。」
機器:カーン、カーン、カーン・・・・・
S:「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
S:(「もーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー烈に
痛い!!」)
S:(「いや我慢だ。このくらい我慢できないと、
この先、生きていけん!」)
若干頭の中はパニックになり考えることは意味不明なことばかり。
Sはひらめく!
S:(「そうだ、こんな時は別のこと、楽しいことを考えよう。」)
①帰ったら何を食べようかな。
“痛リアン” “魔苦怒ナル怒”
➁週末どこかに行こうかな。
“辛(つ)ーリング”
③あっ、買い物に行かないと
“腫苦刺痛(はくさい)” “逃苦(にく)”
S:「(楽しいはずのことが、今はそうもいかないようだ、、、、。)」
S:(「まだ終わらないか。まだ終わらないか。・・・・・・・・・・」)
・
・
・
・
どのくらいの時間が経過しただろうか。
ようやく、
医師:「はい終わりだよー。頑張ったねー。」
S:「ありがとうございました。意外と耐えられました。(強気)」
S:(「終わった、、、。めっちゃ痛かった。麻酔すれば良かった、、、。(涙)」)
そこから、しばらく病院で休んで帰って良いとの事でその日のうちに帰路についたS。
これでやっと、石との共存生活に終わりを迎えられると思っていたS。
・・しかし・・
Sの試練はこれで終わらなかったのである。
ワンポイントメモ
?尿路結石の手術とは?
手術は強い衝撃波を体の外からあてて石を砕く体外衝撃波砕石術(ESWL)や内視鏡を使った経尿道的結石砕石術(TUL)などいくつかあるようです。