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週刊大地連載企画 ~ ペイン・ストーリーは突然に(第3話:共存) ~

~前回までのあらすじ:痛みの原因が“尿路結石と判明。ここからが長い戦いの始まりであった~

 

痛みを気にしながら日々の仕事をこなすことになったS。

 

発症してから数日は、幸いにも訪問中に痛くなることは少なく、決まって深夜に痛くなることが多かった。

 

(「この痛みを我慢すればきっと明日には石が出てくるはずだ・・・・。」)

 

そう信じてやまなかったSではあったが、

この石はその思いをあざ笑うかのように出てこない。

 

1週間経っても出てこない。

1ヵ月経っても出てこない。

半年たっても出てこない。

 

気づいたときには痛みはなくなっており普段通りの生活が戻っていた。

 

 

病院への受診も当初は真面目に通っていたものの、痛みもなくなり、

 

(「そういえば最近は痛くないな・・・。

知らない間にでてしまったかな?」)

 

 

なんて思うようになり病院へ行くのを忘れてしまっていた。

 

 

そんな時であった。

2020年12月31日の大晦日。

 

(「今年はコロナウイルスの話題ばかりで暗いニュースが多かったなー。

今年は実家に帰れないし、ゆっくり年越しそば食いながら「○○の使い」でも見るか。」)

 

Sはゆっくりとした年越しの準備を進めていた。

 

 

そんな矢先!

あいつがまた動き出す。

わき腹がうずきだす。

 

(「まじか!」)

 

そう思っているうちに痛み出す。

今回は久しぶりの痛みということもあってか、6月よりも痛む感じがする。

 

(マジで動けん!)

 

病院でもらった痛み止めを使うも全く効果がない!

 

「○○の使い」を見ている余裕など全くない。

笑ってケツをシバかれるよりもよっぽど痛い!

 

というか、こっちは笑ってる暇がない。

 

七転八倒を繰り返す。

 

 

・・・・痛みと戦って何時間経ったであろうか・・・・。

 

ふと時計をみる。。

 

(「んっ!」)

 

年をまたいでいるではないか!

 

 

(「なんて年の終わり方だ・・・。

なんて年の始まり方だ・・・。」)

 

 

Sは一人痛みと戦いながら年をまたいだのであった。

 

 

そしてSは思った。

 

(「まじめに病院は行こう・・・・。」)

 

 

 

 

 

ワンポイントメモ

?なんで痛いの?

 

 

尿路結石はよくとんでもなく痛いと聞く方が多いと思いますが、なぜ痛むのかご存知ですか?

 

私は当初、勘違いをしていたのですが、

 

”尿管の中で石が動いて尿管を傷つけるから”

 

ではありません!

 

尿路に石が詰まり、尿の流れが悪くなり、腎臓に尿が溜まってしまう「水腎症」が起こるためです。

 

ですので、石が動いて尿の通り道が出来てしまえば痛みはスッと消えてしまうわけですね。

 

ちなみに石が「尿管」、「膀胱」、「尿道」のどこでつまってしまったかで痛みの感じ方が違うので私くらいの

「ベテラン尿路結石マスター」

になると、

今どこに石があるかわかるようになるというわけです。笑

(一番痛く感じるのは「尿管」に詰まってしまったときですね!)