大地訪問看護ステーション 大地訪問看護ステーション

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週刊大地連載企画 ~ ペイン・ストーリーは突然に(第1話:出会い) ~

 

~この話はとある訪問看護ステーションに勤務する一人のPTのノンフィクションの物語である。~

 

 

“それは2020年6月のある日。

世界は連日、新型コロナウイルスのニュースで持ち切りであった。

そしてここ日本も例外ではなく、史上初めて「緊急事態宣言」がだされ、

ようやく解除されたばかりであった。”

 

 

都内のとある訪問看護ステーション。

ここも日々、感染対策に追われていた。

 

そこに勤務するPTの一人(仮に「S」としよう)も新型コロナウイルスの

恐怖と戦いながら日々の訪問を行っていた。

 

季節柄、梅雨ということもあり、ジメジメとした暑さ。

しかし、マスクは外せない日々。

通常の業務に加え、神経質になるほどの感染対策。

 

いつもよりも強いストレスはSにとってはしんどいものがあった。

 

 

その日は突如としてやってきた。

 

Sは休憩の合間にトイレにいった。用を足した後、自分の目を疑った。

 

 

・・・なんと尿が赤いではないか!

 

(「んっ?!なんだこれは。落ち着け、、これはいったい、、、、。」)

 

(「今日トマトジュースを飲んだっけ?・・いや、トマトジュースでは尿は赤くならない!

もともとトイレに溜まっていた水が赤かったか?・・いや、それなら気づく!

はたまた、トイレの水と尿で化学反応でも起きたか?!・・っんなわけない!

赤潮の原因となるプランクトンでもトイレで増殖したのか?・・ありえない!」)

 

水を流すまでものの数秒。

幾重もの考えが頭をよぎる。

 

 

(「いや、血尿だな!」)

いろいろ考えた結果、「血尿」という答えが一番しっくりくる!

しかし、身体の調子は悪くない。どこも痛くない。

むしろ最近の中では調子が良い方だ。

 

 

 

(「自分の身体の中でいったい何が起こっているのか・・。」)

そんな思いを持ったままSは午後の訪問に向かった。

 

幸いにもその日はその後、赤い尿は出てはこなかった。

 

 

そしてそれから2日ほどたったであろうか。

 

深夜3時。

 

 

ついにやってきてしまった。

 

辺りは暗く静まり返り、Sは床についていたが、違和感で目を覚ました。

 

(「なんだか、左の脇腹が痛いな。お腹でも下したかな?」)

 

しかしトイレに行くも便も尿も出ない。

(「おかしいな・・・。まぁ寝よう。」)

 

(「・・・なんだ。」) 

時間が経つにつれ、痛みがどんどんと増してくる。

寝ても座っても立っても痛みは変わらない。。

呼吸が苦しくなってくる。。。

トイレにいっても何もでない。。。。

 

痛い、、、とにかく痛い!!!

(「寝よう!とにかく寝よう!!寝たら治る!!!」)

 

しかし、そんな思いとは裏腹に痛みがさらに強くなる。

当然だが、痛みが強く寝られない。

立っては座り、座っては寝ての繰り返し。

まさに文字通りの七転八倒。

 

これはいったい・・・。

 

第2話につづく